株式会社中部マーキング

カーラッピングした車は車検に通る?著作権侵害のリスクや注意点も


2台の車

 

カーラッピングは、車のボディに施工することで気軽にカスタマイズでき、剥がすだけで元に戻せるのが魅力です。しかし、車検通過や著作権侵害のリスクなど、注意すべきポイントがいくつかあります。

そこでこの記事では、カーラッピングの概要や車検に通るかどうか、施工やルールの注意点を解説します。カーラッピングのデザインによっては、民事や刑事で罰せられる恐れもあるため、事前にチェックしておきましょう。

この記事を読むための時間:6分

カーラッピングとは

カーラッピングとは、車のボディにフィルムやシートを貼ることで車の外観をカスタマイズできる技術です。特殊なフィルムを使用して、マットカラーやクロームカラーなど、自由自在に色やデザインを変更できます。

 

カーラッピングには主に以下のような種類があります。

 

ラッピングの種類

内容

フルラッピング

車のボディ全体に貼り、カラーやデザインを変える

パーツラッピング

ボンネットやルーフ・サイドミラーなどを部分的に装飾し、アクセントにする

デザインラッピング

イラストや広告を貼りつけ、個性の表現や宣伝効果をもたらす

 

ボディ全体に施工するフルラッピングだけでなく、ボンネットやルーフなど、部分的にラッピングも可能なため、自分だけのデザインを楽しめるのがメリットです。カーラッピングは純正カラーにない色を選べるので、個性的な車になる他、ラッピングによってボディの表面の保護が期待できます。

 

また、施工する際は業者に依頼するのがおすすめですが、パーツラッピングであれば部位によってはDIYで気軽に施工可能です。車の塗装はデザインが限られたり、時間がかかったりしますが、カーラッピングは好みのデザインやカラーへ愛車を気軽に変えられるため、近年注目を集めています。フィルムを剥がすだけで元に戻せるのもメリットです。

 

また、好きなキャラクターの画像をあしらった「痛車」と呼ばれるデザインの車を街中で目にすることもあるでしょう。デザインラッピングといわれる施工では、痛車のように個性的なイラストやデザインをフィルムに印刷して貼ることも可能です。また、愛車以外にも、バスやタクシー・トラックなどにカーラッピングを施した車体広告と呼ばれる広告方法もあり、カーラッピングが利用される範囲は広いといえます。

カーラッピングした車は車検に通る

カーラッピングした車は道路交通法上、問題ないため基本的には車検に通るでしょう。安全に道路を走行するために国土交通省が規定している「道路運送車両の保安基準」に沿ったラッピングであれば、車検は問題ありません。そのため、基準を遵守すれば、派手な装飾や色であっても公道を走ることが可能です。

 

また、適切ではないラッピングを施した場合には、車検のタイミングで注意される可能性があります。指摘された場合には、すぐに改善が必要です。違法改造車とみなされないように、カーラッピングを施す際は、ルールをチェックした上で遵守し、車検に備えましょう。

カーラッピングは著作権侵害リスクがある

カーラッピングのデザインによって、著作権を侵害してしまうリスクがあります。著作権とは、キャラクターやイラストなどの著作物によって得られる利益を、著作者が適正に受けることを目的とする法律上の権利のことをいいます。

 

他人が創作したキャラクターやイラストを印刷したラッピングフィルムを使用する場合、著作権に抵触し、訴えられる可能性があるため注意が必要です。著作権者のホームページなどで使用の許可を確認し、記載がなければ許可を得る必要があります。

 

著作権を侵害した場合、民事・刑事ともに罰せられる恐れがあります。民事ではラッピングした車が使用できない上に、損害賠償を請求されるかもしれません。刑事では、10年以下の懲役または1,000万円以下の罰金を科される可能性があります。(参照元:LEGAL MALL BIZ)

 

加えて、有名人や芸能人の写真を印刷したフィルムを車に貼りつけると肖像権に関わるでしょう。また、わいせつ物となる画像を使用すると、公道を走るかどうかに関わらず、人目につく場所に駐車しているだけでも違法です。2年以下の懲役や250万円以下の罰金が科されるリスクがあります。(参照元:アトム法律事務所弁護士法人)

 

自分でデザインしたフィルムを使用する場合でも、他人のデザインと酷似していないか事前に必ずチェックしておくことで、意図せず著作権侵害となるリスクを減らせます。カーラッピングを楽しむ際には、事前に著作権法を確認し、無断使用を避ける他、適切なデザインを選ぶことが大切です。

カーラッピングする際の注意点

走行する青い車

 

カーラッピングする際の注意点を3つ解説します。

 

  • ラッピング箇所
  • 自動車保険
  • 自治体のルール

 

適切なカーラッピングを施す他、自動車保険の契約内容、各自治体のルールについて理解しておきましょう。

ラッピング箇所

ラッピングの施工箇所によっては、違法改造車とみなされる可能性があります。違法改造車とみなされた場合、取り締まりの対象となり、車検に通りません。懲役や罰金が科されたり、改善するように整備命令を求められたりする場合があります。ナンバープレートや車検証を没収される恐れもありますので注意が必要です。

 

また、フロントガラスや運転席・助手席の横のサイドウインドウなどを、カーラッピングして視界を妨げると、道路運送車両法違反になるため注意しましょう。フロントガラスには、検査標章・点検済ステッカー以外を貼ることは認められていません。透過率が70%未満になるのも、運転時に視界を妨げてしまうため違反となります。

 

施工しても良い箇所を事前に確認し、違法改造車とみなされないように注意した上でカーラッピングしてください。

自動車保険

自動車保険への加入は書類上のやり取りのみのため、カーラッピングした車でも加入することが可能です。しかし、カーラッピングした車の取り扱いは保険会社によって異なります。車両保険の対象は、外観や装備によるもので、カーラッピングも補償の対象になるかは、契約書をよく確認してください。

 

ただし、著作権侵害や違法改造車とみなされると、保険金の支払いに影響を及ぼす可能性があります。万が一に備えて、カーラッピングを施す際は、保険会社や専門家に相談するのがおすすめです。

自治体のルール

広告や宣伝を目的としてカーラッピングを施工する場合には、宣伝に関するルールを自治体へ確認する必要があります。宣伝する許可を得る他、条件がある可能性もあるため、1つずつクリアしているかどうか確認しましょう。

 

自治体によっては、救急車や消防車などの緊急車両に似たラッピングは、見間違いが起こる可能性があるため許可されていません。また、カーラッピング以外の屋根や看板に制限を設けている場合もあります。

 

自治体によってルールが異なるため、1つの自治体で許可を得た場合であっても、他の自治体で公道を走る場合にはその自治体でも許可を得なければなりません。複数の自治体を走行する場合には、それぞれ申請する必要ががあるため、注意しましょう。自分で判断することなく、自治体に問い合わせるのが大切です。

カーラッピングする際はルールを守りましょう

カーラッピングは気軽に愛車をカスタマイズでき、剥がすだけで元に戻せるのが魅力です。しかし、注意点がいくつかあります。ラッピングする箇所によって、違法改造車とみなされる可能性があることや、法律上チェックしておくべき点が多くあることを念頭に置いておきましょう。

 

また、キャラクターやイラストなどのカーラッピングを施したい場合には、著作権者への許可が必要です。著作権法をよく理解し、ルールを遵守してカーラッピングを楽しみましょう。

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